新規開設する高齢者施設「介護の王国」は訪問看護ステーションの相乗効果を期待
――社長が当初から温めてこられた高齢者の住まいについてお伺いします。
まず、訪問看護ステーションが介護事業も手掛ける、バックアップすることで、医療依存度の高い方への対応も期待できると思います。そのあたりについて、社長のお考えをお願いいたします。
そうですね、相乗効果が見込めると思っていますし、何より利用者さんにとっても、いい面があると思うんです。
たとえば、うちは特にリハビリに特化しているので、自立支援に関われること。「自分で歩きたい」「動きたい」「トイレに行きたい」そういう希望を持たれている施設利用者さんに、これまでとは違った、新しいアプローチができるのかな、と。なかなか入所施設でそこまで前向きな取り組みをしているところは少ないと思います。
静かに過ごすというのもひとつの入所施設の形だとは思うんですが、私たちはPT・OTがいること、もちろん看護師もいることで、医療的ケアが必要な方に対して、ほかの施設ではできないことができるのではないかと考えています。
――「介護の王国」の特徴として、家賃3万7000円、食費等諸経費全部込みでも9万5000円というリーズナブルな価格、なのに質の高いサービス提供があります。
価格と質の両立は、通常はどうしてもどこか制限されてしまいますけれど、「介護の王国」では自立支援の考えである「基本ケア」をもとに、可能な限りの両立を目指しています。
そのへんが、社長が今回「介護の王国」を選ばれた理由のひとつでしょうか?
はい、期待のポイントだと思います。
低所得者の方でも質の高い介護サービスを受けながら生活ができるというのは、大きなニーズとしてあると思うので。選択のひとつとしてうちを選んでいただけるように頑張りたいです。
――ビジネスとして、収益的なところがしっかりしていないと職員に還元できません。結果的に採用にも影響します。そのあたりのバランスは全体を見てとっていかれる?
経営がしっかりしているというのは、職員もそうですが、利用者さんにとっても大きなメリットになると思います。健全な経営は大前提だと思うので、そこは社長としてしっかりやっていきます。
――これから「介護の王国」で、介護職の採用も始まります。
少し先の話になりますが、介護職を含め、社長の元で働きたい、働こうと思う方に、何かメッセージをお願いします。
19床という小規模の介護施設です。
理想は、同じ目標に向かってみんなで明るく楽しく、質の高い介護サービスを提供していくこと。そんなふうに考えています。
そして、介護職ひとりひとりの考えや意見が取り上げられる施設にしたいな、と。
大きい施設だとやりたい介護ができない……というふうに感じている介護職の方は多くいらっしゃると思います。「やりたい介護ができる」施設にしたいと思っています。
「人」を軸に、これまで培った地域との連携を土台にしてソーシャルメディアとの融合へ
今、深谷市もMCSの活用等、在宅医療に対して積極的なアプローチの段階に入っています。
――MCSとは?
メディカルケアステーション。医療に特化したソーシャル医療連携プラットフォームです。
それを利用することで、病院の医師・看護師、薬剤師、ケアマネジャー、訪問看護ステーション、介護施設など多職種・多機関が連携して、患者さんひとりひとりの在宅医療を支えましょうという試みです。
全国の各自治体や病院で、すでに取り組みが始まっています。
深谷市では先日、在宅医療に関わる人たちで会合がありました。100人くらい、たくさんの事業者さん、そしてお医者さんにも参加していただいて、在宅医療をもっとすすめていきましょうと。ほんとに和気あいあいとした雰囲気でした。
深谷市に在宅医療を充実させる土壌ができつつあります。より質の高いサービスが提供できるように市も考えていますし、ドクターもケアマネも訪問看護師も介護士も、同じ視線で物事を考えられるような環境づくりが進んでいると感じています。
これからが正念場だと思います。
――これまでなら急性期病棟にいたような医療依存度の高い方、重度の方が、今後はどんどん在宅に戻されるケースが増えると予測されます。
ケアーズ深谷上野台さんは、そういう方に対して積極的に訪問看護や訪問リハビリサービスを提供していかれるということですね。
そうですね。
施設での対応はもちろんですが、在宅においても、お医者さんや多職種の方とこれまで以上に大きな連携をとりながら、重度の方にも病院と変わらない、質の高いサービスを提供できるのではないかなと思っております。
――最後に、これから事業拡大にあたって看護師さん、療法士さんを新規採用していかれると思います。
これから一緒に働くことになる方々へ、ケアーズ深谷上野台訪問看護ステーションの魅力やアピールポイントがあれば教えてください。
うちはスタッフがほんとに、すばらしい人ばかりです!
真面目な話、この事業は「人」がすべてだと思います。
今、いいスタッフばかりで非常に助かっていますし、特にリハビリの訪問スタッフは、近隣地域で>は当事業所がいちばん充実していると自負しています。
それから、「地域本位」であることですね。
この地域に根差して堅実に、というのがうちのモットーです。
――訪問看護ステーションでは、看護師さんを更に採用されますか?
少なくとも、看護師さんは直近でひとり、ほしいと思っています。
深谷市にも在宅医療環境が整いつつあるので、やりたい看護、病院とはまた違う、利用者さん一人ひとりのための看護が、これまで以上にできると思います。
地域のために一緒にやってくださる方がいらっしゃれば、ぜひお願いします。
――本日はありがとうございました。
*1「MCS」メディカルケアステーション:医療に特化した、完全非公開型ソーシャル医療連携プラットフォーム
https://www.medical-care.net/html/